遺言・相続・成年後見制度・クーリングオフ
遺産分割協議書の作成
分割方法を指定した遺言もしくは分割を禁止した遺言がなければ相続人全員による協議で遺産の分割を行うことが可能です。遺産分割協議書は不動産や預金口座、有価証券などの名義変更手続の際、その財産を相続する人への権利の移転を証明する文書にもなります。
相続財産の調査・相続資料の収集
プラスの遺産として預貯金、不動産、有価証券、有形資産(車、貴金属等)、無形資産(特許・著作権等)、マイナスの資産として借入金等、また、生前贈与等の清算もあります。トータルでプラスかマイナスかが不明な場合は相続について「限定承認」の選択も要検討です。 「限定承認」とはプラスの範囲を限度として相続することで、相続人全員の合意が必要です。
相続・遺言書の起案作成
遺言は法定相続に優先します。遺言者の意思で誰にどのように配分するかを指定できますが、遺留分(遺言により法定相続分を得られない場合でも遺留分の制度により「遺留分減殺請求」をすることができます。)について知っておくことも必要です。遺言の内容は民法で定められているもののほか、例えばお世話になった人への感謝の気持を綴ること等も意味のあることだと思います。遺言は民法に定められた方式によらなければ無効となってしまいますので、起案・作成にあたっては慎重に行わなければなりません。
高齢者財産管理・高齢者福祉の各種申請
福祉事業等の申請は都道府県知事に行います。
戸籍関係各種届出書の作成
出生・死亡、婚姻・離婚、養子縁組等、身分関係の届出は市区町村役場に行います。
任意後見契約の公正証書の起案作成
判断能力の衰えた人を保護するための制度として「法定後見制度」、「任意後見制度」の2つがあります。「法定後見制度」は判断能力がなくなった、または低下した人に対して家庭裁判所の審判により後見人等を選任し保護するもので、「任意後見制度」はあらかじめ将来の判断能力の低下に備え、本人が信頼できる後見人を選んで契約するものです。「任意後見契約」は万一の時の財産保全に有効です。
契約解除(クーリング・オフ)
長期の不況下で強引なセールス・商法による被害が(お年よりや若者の世帯に多く)発生しています。訪問販売や街頭でのキャッチセールス、アポイントメントセールス(電話で「貴方だけの特典です」、等の勧誘があり営業所に出向いて契約)は書面 による説明を受けて8日以内なら無条件で契約解除ができます。また、不当な勧誘(「必ず儲かる、等」)や困惑させる勧誘(訪問販売で帰ってくれないので仕方なく契約)等は8日すぎても解約できる場合があります。内容証明郵便等、法的に有効な対応を確実に実行することが肝要です。